スパーズ補強予想番外編~移籍ゴシップの海を泳ぐ~
まとまった時間が取れなくて前回から結構間が空きました。
今シーズン、あるいはポチェ政権一期についてのまとめは相当時間がかかるので、今やってることがひと段落してからにします。
TL見て思い出した。Lyallがスパーズはアンドレゴメスに初めから興味無かったと言ってます。ゴメスは無いと前から言ってたけど、やっぱりこれは分かりやすいケースだった模様。何故報道が嘘か分かったかについてブログ書くのもありかな、もう一つか二つケースが欲しいところやけど。 https://t.co/3j4rpjdTwC
— yukithfc (@yukithfc) 2019年6月2日
ということで今回は移籍ゴシップをどう読むかについて軽めに書きます。
はじめに
移籍ゴシップが出たときに素直に踊らされるのもアリ、「どうせ噂でしょ?」とクールに流すのもアリ。その人の性格やスタイルのようなもので、どう反応してもいいんですが、読み方を知っておくこと自体は何も害はありません。移籍ゴシップを分析するというのも海外サッカーの楽しみの一つだと思うので、あまり意識してこなかった方はこれを機にあらたな楽しみを発掘してみてはどうでしょうか。
ソースの信ぴょう性について
どのメディアが信頼できるのか?という質問をよく見かけます。一言で答えるならば「ソースだけでなく総合的に判断せよ」になります。
でもまあそんなこと言わずに教えてよ~という声が聞こえてきそうなので、一応現地でよく使われるTier1~4でメディアをクラス分けしてみます。
Tier1(信ぴょう性が非常に高い)
・スパーズ公式
・BBC
・Ben Pearce (freelance)
ノーコメントで大丈夫ですね。ただBBCのゴシップ欄をBBC独自ソースのものと混同してるケースをたまに見るので、注意です。最近あまり見ない気がするけど、Ben PearceはTwitter上でかなり信頼されてる記者です。
Tier2(比較的信ぴょう性が高い)
・Alasdair Gold (football.london)
・Dan Kilpatrick (ESPN)
・Ed Aarons (The Guardian)
・Lyall Thomas (Sky Sports)
・Matt Law (Telegraph)
順番はただのアルファベット順です。
football.londonはここ3年で伸びてきた新興メディア。Gold氏の新スタ周辺を歩くライブ中継やQ&Aが非常に好評で、Twitter上での評判が頗る良いです。独自情報をすっぱ抜いたりしたことは記憶の限りではないですが、逆に言うと飛ばし記事も無く、新興メディアとして評判に気を配っているイメージ。
LyallはTwitter上でめちゃくちゃ嫌われてます笑 最近は講師業もしているようでツイート頻度は少なく、冒頭のような「スパーズが○○に興味があるという噂があるが嘘だ」という否定形のものが多いです。ただ情報精度は高いので答え合わせに使いましょう。
Tier3(比較的信ぴょう性が低い)
Telegraph / Guardian / Independent / Standard / Sky Sports / Marc Benamram (freelance)
Skyに来たら確定じゃないの?って言われますが正直そんなこともないと思いますね。Skyはスパーズがお好きじゃないみたいなので、よい子のスパーズファンはLyallだけフォローしてSkyのアカウントはブロックしときましょう。
Tier4(読む価値なし)
その他全部(サン、メール等)
当たってる外れてる以前の問題で、ソースがあるかどうかすら疑わしいので無視しましょう。どうでもいいけどサンは下半身のスキャンダルだけはやたら強いことで有名。
ー本当にざっくりで異論も色々あると思いますが、大体このくらいの理解で十分でしょう。一番大事なのはTier4は全部無視してOK!ということです。
ー媒体でなく記者ごとで判断するのがポイント。記者は個人の名前を全面に出して仕事をしているという点で、少し個人事業主的な所があるので。
ー最近は情報統制が厳しく、出てくる情報量も減っています。
ー国外ソースについては長くなるしそこまで詳しくないので割愛します。ただ一つ言っておくとイタリアでは確定情報扱いされてるディマルツィオはイタリア以外だと全くダメダメです。
ー内部情報のリーク(ITK)というのもありますが割愛。こちらも情報統制が厳しくまともな情報がほとんど出なくなってます。
ソース以外に考慮する点
ykithfc.hatenablog.com
前回シミュレートしたように、スパーズの補強戦略に沿ったターゲットなのかを考えましょう。例えば高給のベテラン獲得の噂が出てきても冷ややかな目で見るとか。ただ原則に例外はつきもので、ジョレンテはここ数年で初めてベテランを獲得した例外ケースです。彼の場合実力や経験はもちろん、おそらく「ケインから学びたい」という飽くなき向上心が鍵だったのではないでしょうか。
ケース・スタディ
じゃあ実際にどう見ていくのか。前回デヨングの件を挙げたが、移籍市場の動きは年々読みづらくなっている。「めちゃくちゃ悩んだけどもうちょっとアヤックスでやりたいので」→半年後「なんかオファー来ちゃったのでバルサに行ってきますね」なんて誰が予測できるんだ。
今のフットボーラーは大抵親戚全員養えるくらいの給料をもらっているし、最近の若者は○○より給料が上とか下とかあまり気にしてないと思う。金やクラブの格じゃなく本人の気持ち次第になってきてるということなのかなと。これはエリクセン然り。
そうなってくると個別のケースで見るのが一番良いと思うので今回はケース・スタディで。
アンドレ・ゴメスの場合
バルセロナからエヴァ―トンにレンタルされていたゴメスがスパーズにステップアップ移籍をするのではないかというゴシップ。冒頭の通りこのゴシップは飛ばしだと以前から読んでいて、ネガティブな情報精度に定評のあるLyallが否定したので答え合わせが出来ました。
何故飛ばしと思ったかというと、カタルーニャのメディアであるSportが「個人条件で合意」報じているにも拘わらず英国系(Tier2/3)の後追い報道が無かったからです。サンやメールなんかは書いてたのかもしれませんが、この辺りのメディアは他国の記事のコピペみたいなのをバンバン出すので無視でOK。もし本当に「個人合意」しているのであれば、Tier2/3の記者たちが自分の情報ソースに確認をいれて後追い報道が出るはずですが、それがないということはSportの飛ばしということです。英国のメディアが英国のクラブの情報を持ってない訳がないでしょ?
何故こんな飛ばしが出るかというと、「出来るだけ高く売りたい」バルサと「出来るだけいい条件で契約したい」代理人*ゴメス側の思惑が一致したからですね。エヴァ―トンからすれば今年主力として活躍したゴメスを残したいのは当然のことで、CL権があり出場機会もある程度確保できそうなスパーズが出てくると厄介です。じゃあどうやって口説くかというと良い条件(移籍金&週給)を提示するしかないですね。バルサも代理人も目的達成、一石二鳥です。
そもそもゴメスは出場機会を欲して移籍したわけで、マルコ・シウバ続投のエヴァ―トンに完全移籍するのが自然な流れでしょう。
ジョバンニ・ロチェルソの場合
前から噂が無かった訳ではないが、唐突にBBCが報道して一同騒然となったロチェルソのケース。今季はPSGからベティスにローンされた後完全移籍したばっかりじゃん!と思ってましたがベティスは元々転売してがっぽり稼ごうという腹積もりだったらしい。ベティスの懐事情までは知らねえわ。
まだ若く(23歳)、複数ポジション対応化(CM/DM)、アルゼンチン人でスカッドに容易に溶け込める、PSGで(一応?)優勝経験もある、とスパーズの補強方針にバッチリで報道に説得力があります。
£53mのオファーを発射したものの、それでもベティスは満足していないと言われている。その理由の一つはSell-on feeと呼ばれるもの。PSGから移籍した時の契約の中に「売却額の20%をPSGに譲渡する」ことになっているらしい。よってこのオファーだとベティスの取り分は£42.4m。PSGから買い取る際に大体£20mくらい払ってるので£22.4mの利益が生まれるが、これじゃ足りない!ということらしい。
といっても現状スパーズ以外のクラブでこれ以上払うクラブが居るとは思えないので、このまま行けばどこかで合意出来るでしょ。まあそう簡単に行かないのが移籍市場なんだけども。ここは99%決まってたグリーリッシュが一瞬で破断になった件を思い出して一旦落ち着きましょう。
タンギ・エンドンベレの場合
これは結構難しい。今のところフランス側が熱心に報じてるだけなので、基本的にはゴメスと同じ扱いかなと思う。リヨンの会長オラスが「PSGに移籍したらフランスのタレントが国内に残るってことだから良いことだよね~。あっユベントスさんなんかもいいよね~。」とかなんとかまたごちゃごちゃ抜かしてあの狸ジジイ。
ツイートもしたけど、オラスがやってるのは単純に移籍金つり上げ工作であってこの2クラブは本命ではないと思っている。オラスは€100m近く欲しがっているらしいんだけど、上述の2クラブはそこまで出さんでしょ。そもそもユーべは監督決まってないし。
スペイン二強も最近はコスパ重視になってきてるし、そうなるとプレミアのチームくらいしか金を出せるところはない。リバプールは補強箇所的にもタイプ的にも違いそうだし、シティ??うーん分からん。
色々考えた結果行先なくね?と。競合が居ないのであればレヴィが終盤にひょっこり現れるかも?もしそうなったらロリスを移籍期限最終日に格安で獲得したあの時の再現になりますね。その場合オラスは憤死しそう。
まあ本人は移籍するかどうか決めてないといってたので、最悪残留して他の選手を売るという線もあるのかもしれない。リヨンは良い選手いっぱいいるしね。
色々考えたけど現状よく分からず、サプライズ枠の域を出ないという結論にしときます。
かれこれ1年半くらい前から個人的に追ってる選手なので実現したら嬉しいけどね!
まとめ
・メディア単位じゃなく記者単位で見よう!
・Tier4はすべて無視でOK!
・最近の移籍市場は予測不可能!
・ソースだけじゃなく総合的に見てみよう!
ブログを書くときは #スパーズブログ タグを使うことを推奨します!
ではまた次回~。