To write is to do

トッテナム ホットスパー (スパーズ)について語るブログ

THSTミーティングとこれからのスパーズ

THST(トッテナムホットスパー サポーターズ・トラスト)とクラブのミーティングがなかなか面白かったので、気になった点だけかいつまんで雑感を書きつつ今後のスパーズの組織再編について少し考えたい。

 

原文はこちら。

www.thstofficial.com

 

 参考までに1年前のミーティングの雑感はこちら。

ykithfc.hatenablog.com

 

 

現地サポーターの雰囲気 

今回のミーティングの議事録を見てまず気になったのはTHST側のトーン。「なんでストライカー取らへんねん」等ここまで具体的なツッコミはあまり見たことない気がする。これはサポーターのフラストレーションを反映したものだが、それでもTwitterでは「THSTは何もしてねえ」と八つ当たりするサポがごく一部発生するなど、スパサポの中に相当フラストレーションをため込んでいる人達が一定数存在することが分かる。勿論他のスパサポがTHSTはちゃんと仕事してるぞと反論していたが。

新たなキーウーマン?

成績が奮わないタイミングで開催され、やや緊張感高めの中で明かされた重要な事実の一つが「補強委員会」のマイナーチェンジである。

一番に目に付くのはHead of Football Administrationという役職のRebecca Caplehornが加わったことである。

 

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 (レヴィと並ぶCaplehorn。)

スポーツサイエンス系の学位を取得しパーソナルトレーナーとしてキャリアをスタートさせたが、勅許会計士の資格を取得した後はテニスやフットボール業界でファイナンス系の職を歴任している。そして2015年にスパーズに加わるまではQPRでFinance Directorを務めていたそうだ。スパーズではトップチーム、女子チーム、アカデミー、スタジアムとほぼ全ての領域で何らかの役職を担っており、レヴィの次にクラブを知り尽くした人間と言っても過言ではないだろう。

さらに彼女はレヴィに劣らぬタブネゴシエーターであると称されており、「サインするまで部屋から出られると思うな」と代理人を恫喝()していたエンドンベレ獲得交渉にも同席していたようである。

そんな彼女が補強委員会にまで参加するようになったということは、今までレヴィに任せっきりであった移籍関連の交渉に関してCaplehornがより大きな役割を担うようになるということかもしれない。それにCaplehornと新たに着任するであろうSporting Directorが共同して移籍交渉に当たる仕組みを築いておけば今後レヴィがチェアマンの座を降りることになっても引き継ぎは安心、ということではなかろうか。*1

プロセスに変化はあるのか?ないのか?

また補強委員会のプロセス自体は変わっていないとレヴィは発言しているが、実際のところ少し変化があったのではないかと疑っている。

というのもポチェ政権下ではレヴィも含めてリストを絞りこんだ後で、最後にポチェがGoサインを出す流れだったと言われており*2、交渉中、もしくは直前にポチェがストップをかけるケースが幾度か発生していた。特にスカウトはティーレマンスとリカルド・ペレイラを推薦していたがポチェはエンドンベレとオーリエを選んだとされるストーリーが有名である。スカウト案件/ポチェ案件、どちらにしても当たり外れは結果論になってしまうが、レヴィからするとリストを絞った後に現場とスカウトの意見が割れてしまうとやりづらいところはあったはずである。

このような連携不足問題を解決するため、まず「モウリーニョとチーフスカウトのヒッチェンが給与面等も考慮して獲得候補のリストを作り」、ユースにいる若手と被りがないかマクダーモットが確認してから、レヴィとCaplehornが交渉に当たるという流れにマイナーチェンジが施された(と思われる)。リストに載っている選手は既にモウとスカウトが意見を擦り合わせて獲得に同意している選手ということになるので、レヴィやCaplehornからすれば余計なことを考えずに交渉に当たるだけなのでやりやすいだろう。

今後の動き

前述のように選手獲得のプロセスにぎこちなさがあったスパーズだが*3、監督交代を機に少し手を付けている印象を受けた。そもそも以前からSporting Directorを置きたがっているレヴィと、ファーガソンのような全権監督を理想としバルディーニを追い出しManegerの肩書きを得たポチェとはそもそも方向性の違いがあったのだ。

そこでレヴィとしてはモウと密な関係にあるカンポス(現リール)をSDとして招聘し、ワールドクラス候補の海外産若手とチャンピオンシップ等で活躍するHG若手をメインターゲットとする補強戦略を発展させたいのだろう。*4シーズン途中でアシスタントのサクラメント等を引き抜いたことからリールとの関係は既に難しくなっていることが想像されるが、何とかカンポスを招聘して盤石の体制を築きたいところだ。

 

 

 

コロナウイルスの影響で色々と先行き不透明だが、また補強予想でもしたいところ。前回のような制約は設けず、また適当なタイミングでTwitterで投下しようと思う。

*1:余談だがDirectorのDonna-Maria CullenはPRやパートナーシップ担当。彼女も非常に重要な役割を任されておりスパーズでは女性のシニアスタッフが活躍しているというのは喜ばしいことだと思う。

*2:明記されている記事を見つけられなかったが、Football LondonのGold記者はポチェが最後にGoサインを出す流れだと動画等で発言していたのを記憶している。そのため本稿もその情報を前提とする。

*3:この点は前回記事で触れているので再掲。https://ykithfc.hatenablog.com/entry/2019/11/14/185039

*4:なおスパーズには下部リーグに詳しいDavid Pleatというスカウトが既にいるので、若手HGのスカウティングは心配無いだろう。

「スパーズの舞台裏で起こっていること」についての考察

トリッピアーが残したヒント

やや底を抜けた感はあるものの、今季は結果も内容も伴わないスパーズ。結果やパフォーマンスもそうだがポチェのコメントや起用法で腑に落ちない点が多くなり、TLからもファンのフラストレーションをひしひしと感じる。

4-3-1-2フォーメーションへの不満、移籍できなかった選手がいるせいでスカッドの士気が下がった、ポチェの厳格な指導や5年前から変わらないトレーニング内容に選手が辟易している等様々な噂がメディアで挙げられている。

このような不調の理由は散々メディアで書かれているので今更取り上げない。不調の時は必ず「~が悪い」「~を変えないといけない」という言説があちこちで飛び交うものなので、一つ一つの言説に気を取られ過ぎるのも良くないように思う。ピッチ外のことを書くと謳っているブログなので、今回はより構造的な部分に着目したい。

その際のヒントとなったのが、今夏スペインへと旅立ったトリッピアーの発言である。彼はスパーズでのプレーを続ける意向もあったと言われているが、結局「スパーズの舞台裏では何かが起こっており、移籍したいと思った。」という趣旨の発言を残している。いったいこの「舞台裏で起こっていること」とは何なのか。今季のスパーズの不調との繋がりはあるのか。もっと突っ込んで「舞台裏で起こっていること」はスパーズの戦略に支障を来すものなのかどうか。今回はこれらの点について考える。

'19移籍市場の方針

放出:トリッピアー、フォルム(その後再契約)、ジョレンテヤンセン、エンクドゥ、オノマー、エドワーズ、(ローン移籍:CCV、ジョルジウ、ロールズ、エイモス)

獲得:エンドンベレ、クラーク(リーズへローンバック)、ロチェルソ、セセニョン

 

上記の通り若手をカウントするとローンを除いて7人の選手を放出。一方で放出濃厚と思われていたエリクセン、トビーは残留。ローズ、ワニャマ、さらにオーリエにも移籍の噂が挙がったがこれらの選手は結局残留している。

 

おそらく今夏移籍市場のテーマはポチェの言う通り「Regeneration」であった。しかしその発案者はおそらくレヴィだろう。結局は雇われの身である監督という立場からすれば優秀なスカッドであれば年齢は基本的に関係はないはずで、ピークを過ぎかけている比較的高給のベテランを放出し給与の低い若手主体に切り替えるというのはまさに経営的な判断である。

ということは今夏の移籍市場の方針は「レヴィ主導での放出」「ポチェの意向を最大限に反映した補強」だったのではないか。実際トリッピアーは「ポチェは自分を放出したいとは言わなかったのでレヴィと話をしようとした」とも語っている。

Kieran Trippier hits out at Daniel Levy and Mauricio Pochettino over Tottenham exit | Football News | Sky Sports

さらにトリッピアーは「クラブのために全てを捧げてきたのに自分が放出されるという噂を聞いた」と語り、ローズも「今夏売りに出されたようだが結局残留出来た」といったコメントを残している。

Tottenham star Danny Rose opens up on transfer speculation and his future | Football | Sport | Express.co.uk

(追記:やはりレヴィはローズは売却するつもりだったようだ。https://www.standard.co.uk/sport/football/danny-rose-tottenham-want-me-gone-but-i-will-leave-contract-expires-2021-a4285931.html?utm_medium=Social&utm_source=Twitter#Echobox=1573646513)

彼らの言葉を信じるならば、自ら移籍を望んだというよりクラブ=レヴィ主導での放出を進めていたということのようである。特にトリッピアーは「ポチェに問いただしたが明確な答えを得られなかったのでレヴィに電話した」ということで、ポチェが放出の権限を持っていないことを示唆している。

トリッピアーのいう「舞台裏で起こっていること」とは「功労者であろうと年齢を理由に切る」というクラブの方針であり、ベテラン選手の中には少なからず反発があったことが想像できる。

 

一方で補強に関しては、エンドンベレ及びクラークの獲得後しばらく何の進展もないことに業を煮やしたポチェが「移籍について何も知らされていない」とフラストレーションを露わにしていたが、最終日にロチェルソとセセニョンを獲得した後は「私はとてもハッピーだ」と掌を返していた。

Tottenham news: Mauricio Pochettino says he 'knows nothing' about transfers and Spurs should change his job title – ‘I’m not in charge, I’m just a coach’

https://www.independent.co.uk/sport/football/premier-league/tottenham-hotspur-transfer-news-mauricio-pochettino-paulo-dybala-giovani-lo-celso-ryan-sessegnon-a9050141.html

エンドンベレ、ロチェルソ、セセニョンの3人は移籍市場開幕前からポチェのトップターゲットであると報道されており、途中進展がないことに対する焦りこそあったものの「ポチェの意向を最大限に反映した補強」は最終的に実現した。

 

スカッドへの影響

では「レヴィ主導での放出」「ポチェの意向を最大限に反映した補強」がチームの不調を招いた可能性はあるのだろうか。

 

確かに今までポチェを信じて頑張りさえすれば良かったのが「功労者であろうといつレヴィに大ナタを振るわれるか分からない。」のであればベテラン選手の士気に影響した可能性もなくはない。

一方ポチェはポチェで積極的な若手起用に陰りが見えており、「実績関係なくチームのために走る奴が試合に出られる」だったのが「ポチェに信頼されている選手は何があっても試合に出られる」に変化していったように捉えられなくもない。

この状況では「ポチェの信頼を得られなければ話にならないが、序列を覆すのは相当困難。それに頑張って序列を覆してスタメンを奪ったところで結局年を取ればあっさり放出...?」と、スパーズでの将来に疑問を持った選手が移籍を望む....ということもあるのかもしれない。

あくまで上記は妄想であり本当の不調の要因は分からない。結局のところ他にも冒頭に書いた様々な要因があり、補強/放出方針も含めて何か一つの理由で今季の不調を説明するのは難しいと感じる。

 

確かに移籍を望んだ選手、移籍させたかった選手がクラブに残ったという現在の状況は究極的にはレヴィの責任ではある。しかしローズが語るように「実際にオファーは来なかった」のであればそれ以上レヴィにはどうすることもできないだろう。ポチェはローズを信頼しており、安価で無理矢理放出を敢行するわけにもいかないだろうし。ワニャマのようにプレー機会が減っているにもかかわらず、クラブが合意したオファーに本人が納得しないケースもあり、補強も放出も誰か1人がコントロールできるものでもないのが現実である。

 本当の問題は?

今季の不調よりもより長期的な、大きな問題がある。ポチェと経営陣やアナリスト等、クラブ内の連携が上手く取れていなさそうなことだ。(ユースとの連携に関しても批判的な見方が多い。英語だが詳しくはこちらを読んで頂きたい。https://windycoys.com/2019/10/guest-blog-youth-special/ ) 今夏新たに5年契約を締結し、クラブから重要な選手であると認識されているルーカスはここまで12試合500分弱の出場、しかもNLD、リバプールバイエルン戦などビッグゲームでは悉く先発から外れるなどポチェからの信頼を勝ち取れていない。

ポチェはそもそもルーカスの獲得自体に消極的であったが、最終的にはスカウトの意見が採用されて獲得が決まった形だ。今夏獲得したクラークもスカウト主導での獲得であり、クラブ内のアナリストはスピードがあり幅を取れるWGが必要だと分析しているのだろう。(スパーズではCFでプレーすることが多いがルーカスはPSGではWGでプレーしていた。)実際不調の時のスパーズは大外のスペースを活用出来ず中央渋滞を引き起こすことが多い上にスピードあるSBが不足しているため、これらの補強の意図はよく分かる。にもかかわらず中央に選手が固まる傾向のある4-3-1-2のフォーメーション/戦術に拘り続けてシソコから懐疑的な声ほど状況を悪化させてしまったのである。ここはポチェの責任であり、もっと早く軌道修正出来たのではないかと思う。

さらに言うと、クラブ上層部の今季の方針が「Regeneration」であるならば、ポチェはその方針を尊重し、若手を積極登用しながらスカッドの整理を進めなければならないはずだ。トロフィー獲得というのはあくまでポチェ個人(と一部選手)の望みであり、クラブの目標よりも優先されるものではないのだ。ポチェが責められるのであれば、前述の戦術面とクラブ方針との整合性だろう。

 

ポチェとスパーズの未来

この5年の間でポチェに移籍関連の最終決定権が与えられるなど全権監督による長期政権という方向でレヴィは計画を練ってきたわけたが、今後チームが調子を取り戻そうとこの方針は完全に放棄されるだろう。

理由は、CL決勝前に「もしCLを獲ってしまったらもうモチベーションを保てない。」「レアル?いつかね。」等、長期政権を築くに相応しくない言葉をポチェがいくつか残しているからだ。これから長期政権を築く意欲が無いのであれば、いずれ来るポスト・ポチェ時代に備えて移籍関連の権限をポチェから取り上げるのは自然の流れだろう。スパーズにはスパーズというクラブとして目指したい方向性があるはず。ポチェがスパーズで続けたいのであれば、ヘッドコーチへの実質的な降格(?)を受け入れる、もしくは自分は全権監督に相応しいということを再びレヴィに証明する必要がある。

この二つの選択肢がポチェにとって魅力的であるかは定かではない。ステップアップしてトロフィーを獲りたいといっても別に責められることでもないとは思う。ただクラブの方針に納得がいかないのであればポチェが出ていく以外の選択肢はない。結局のところポチェは雇われの身であって雇い主はレヴィなのだ。

ポチェがどう考えるにしろ、クラブの重心をポチェから別のところへ移す/分散させる必要はある。よって今後の方向性としてはSporting/Football Directorを招聘して再度長期のプランを組み直すことになるだろう。現在のところイタリア方面での報道が一つあったのみだが、結構現実味のある話だと思っている。

Report: Spurs looking at hiring Director of Football from European giants - Spurs Web - Tottenham Hotspur Football News

 

短期的な話をすれば、ツイッターでも解任の可能性だとかなんだかんだ言ってきたが、結局今季に限って言えばポチェで乗り切るのではないかと思い始めている。というのもポチェがようやく「今建て直しの最中である」と公言し、ロチェルソやセセニョンと言ったニューフェイスが徐々に試合に出るようになってきているからである。(個人的には遅いしタンガンガのような選手にもチャンスを与えてもらいたいところだが。)

ポチェはこの5年間でサポーターからもレヴィからも信頼を得ているので、彼が何か新しいことを始めると言うのであれば時間は与えられるはずなのだ。そして「Regeneration」が今季の方針であり、ローズエリクセントビーワニャマ辺りも放出しようとしていたことを考えると、さすがに今季の成績に関するハードルは低いはず。クラブの方針に沿ってスカッドのリフレッシュさえ進めれば、降格圏に沈みでもしない限り途中解任はないだろうと踏んでいる。解任=短期志向と思われがちだが、もしポチェがクラブを去るならば、それはポチェの考え方がクラブの長期的な方針に合わなくなってしまったということなのだと思う。

おわりに

意外とこういうシーズンはカップ戦で結果が出たりすることもあるし、今季はアップダウンの激しいジェットコースターのようなシーズンになることが予想される。サポーターとしてのモチベーションを維持することが難しいと思われる方も多いかもしれないが、ケイン然りヒーローというのはピンチの時にこそ現れるものである。このジェットコースターに振り落とされずしがみついていれば、シーズンの終わりまでに「新たな時代の幕開け」を目撃出来るかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

但しそうならなかったとしても責任は取りません。

スパーズの移籍市場振り返り&どこよりも早い来夏移籍市場考察

さてヨーロッパの移籍市場も閉じたので、早速タイトル通り話を進めていく。

 

 移籍市場

移籍市場での出入りを下記の通り表にまとめた。昨冬に移籍したデンベレも一応入れている。

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獲得

まずは7月2日にクラークとエンドンベレを獲得。あまり話題になっていないがエンドンベレの週給はケインに次いで£200k/wとEvening Standard等で報道されている。スパーズにとっては例外的な大盤振る舞い、期待度の高さが伺える。正直ほんまかいなと思ってしまうが。

最終日に獲得したのはロチェルソとセセニョン、どちらも自分が以前予想していた程度の週給で合意できたようだ。移籍金も2人で£100m程度と我ながら良い線行ってる。なおリヨンでの週給の情報が間違ってたこともあり、エンドンベレの週給は盛大に外している。


ロチェルソはベティスがPSGに対して負っていたsell-on feeの金額を減らすためローン+買取OPにするというレヴィの神ムーブが炸裂。レヴィはデイビスフォルムを獲得した際にもシグルズソンのトレードを絡めてsell-on feeを削減した前科があるので、あまりやりすぎて怒られないようにしたい。

週給も含めて考えると、今夏の移籍市場の収支は-£59.0m。まあまあ補強した割に比較的赤字が少なく見えるのはロチェルソがローンだからだ。来夏には£55mでの完全移籍が成立する見込みなので注意が必要。

結果的に当初の獲得リスト上位だった選手を全て獲得することが出来たうえ、スパーズにあまりいない生粋のWG(クラーク)も確保した。FW、SBの補強が急務だと言われるがポチェは元々若手(パロット、KWP、フォイス)にチャンスを与えるつもりだったのだろう。とにかく今季はポチェの育成手腕と若手の奮起に期待したい。

成立したもの以外では、「肖像権が玉に瑕のイケメン」に加えてフェルナンデスの獲得もあと一歩まで迫っていたようだ。フェルナンデスと個人合意していたのは驚きだったが、エリクセンの売却が決まっていればスポルティングに増額オファーを出して獲得が決まっていたのではないかと思う。

売却

かなり仕事の多かった売却だが、8割程度の仕事は終えたと言っていいだろう。移籍金自体はそれほど稼げてはいないものの、ベテランの放出で週給を削減出来たのが大きく、おかげでエンドンベレの週給を捻出出来ている。出場機会が激減しそうなワニャマは移籍出来ればお互いのためになったはずだが...セセニョンと入れ替わる形となったオノマー及びエドワーズの移籍金は明らかになっていない。

移籍の噂があったものの結局残留した選手については後述する。

スカッド構成

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今季のCLスカッドは上記の通りHG5人、非HG17人、Bリスト5人の27人である。やや人数が多めなので、やはり1~2人はさらに売却する用意があったと思われる。 前回の記事で書いた通りフォイスはBリスト登録が可能だがパロットは空きがあるAリスト登録となる。ジョレンテを再契約しなかったことによりパロットがCLでプレーする可能性が出たというわけだ。国内カップ戦に加えて、余裕があれば5試合目、ホームのオリンピアコス戦辺りでCLデビュー出来るかも。

(修正:セセニョンはHG(協会育成枠)リスト登録)

来夏移籍市場考察

 さて現状のスカッドを見たうえで、どこよりも早い来夏移籍市場の考察/予想をしたいと思う。スパーズは基本冬には動かないので、議論の簡略化のためにも今回冬市場は無視する。

「売らないといけない人達」

「ワールドクラスのポテンシャルがある」とPSGから鳴り物入りで加入したものの鳴かず飛ばずのオーリエと、怪我で別人になってしまった「サンドロ2世」ことワニャマが売却候補だろう。勿論本来のポテンシャルを発揮出来ればそれはそれでいいのだが...なおそれぞれTMでの市場価格は£16.2m、£18mとあまり高額の移籍金は期待出来ない。

「出ていきそうな人達」

残契約1年のエリクセン、ヤン、トビー、タンガンガ、同2年のローズがこのリストに含まれる。願望含めだがヤントビの内どちらか1人、そしてタンガンガとは契約延長してもらいたいし、その可能性は十分あるはず。そしてフォイスをCBに再コンバートすれば来夏はCBを獲得せずに済むだろう。(割愛するがフォイスは来季CBに再コンバートされると考えている。)

ローズとエリクセンは結局残留したものの相変わらず将来は不透明。ローズが北部に帰りたいと言ってたし、来季リーズが昇格すれば出戻りするのでは?と密かに予想している。リーズ側の事情は知らんけど本人にとっては一番良いシナリオなのでは。

エリクセンの最新のコメント(9/4現在) は

フットボールマネジャーのように移籍が決まれば楽なんだけどね。」

「でもスパーズは本当に良い場所だ。別におかしな話じゃないだろ?」

というもの。「スパーズに対して不満はないけど、たった一度きりの人生だからレアルやバルサでプレーしてみたい」感が満載である。まだ心残りがありそうなので、いきなり契約延長の話を持ち掛けるよりもしばらくその類の話は封印してプレーに集中してもらうのが得策だろう。1月にフリー移籍交渉が解禁されるので、そこでも2強が来なければ流石に契約延長交渉の席につくといった感じかなと。

補強箇所

表の通り両SBが来夏の補強ポジション。KWPもデイビスも大外を爆走する/相手のカウンターを個人で捻りつぶすタイプではないので、補完性を考えてアスリート能力に優れた選手が望ましい。

場合によってはCBやFWの獲得もあり得る。ヤントビタンガンガ全員契約延長出来なかった、サンチェスが余りにも散々な出来で終わったetc...頼れるのがフォイスしかいねえ!って状態になるとさすがにまずいので。その場合はやはりプレミア経験豊富でCBの獲得候補リストトップと言われてるアケの獲得が視野に入ってくるんだろうなと。

前線の複数のポジションで起用可能、偽9番も出来るディバラは確かに面白いチョイスだと感じた。セセニョン、クラークとアスリート能力の高い前線の選手は取ったけど、「ポリバレントでテクニックに優れたロングシューター」はバイタル攻略に固執するポチェが好むタイプな気がする。

ただひょっとするとベティスでやっていたようにロチェルソを最前線で使うプランもあるかもしれない。そのプランが奏功した場合わざわざ前線のディバラを獲るのではなく中盤のフェルナンデス獲得に向かいそうだ。

しかし注意すべきなのは前述した通りロチェルソの移籍金£55mが発生する点で、一線級の両SBを獲った上で高額HGのアケ+肖像権男orフェルナンデスも獲るとなるとさすがにキツそう。やはりCBは現有戦力を保持し、両SBの獲得を優先事項とすべきだろう。

ちなみに2021年夏にロリスの後釜となるワールドクラスのGK(とCB)を獲得してようやく理想のスカッドが完成すると予想している。

 

具体的な補強候補についてはまた今後補強予想タグを使ってやっていきたいところ。

今回はこの辺りで終わります。最近ブログ書く人が順調に増えて楽しいですね!